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イングロリアス・バスターズを見てすごーく楽しかったので感想覚書。

映画

軽く軽くネタバレありです。ご注意。

おもしろかったです。おもしろい映画です。

私はタラさん作品全然見ていないので(キルビルも!)監督論云々を語ることはできないのですが、唯一みたタラさん作品はレザボア・ドッグスでありまして。そこから察するに、タラさんが銃撃戦を撮るとああいう敵味方全員死…みたいな結果になるのかなぁ、と。どうなんでしょ?

この映画は章立てになっておりまして、結構シークエンスがかちかちっとしてる印象。まあ登場人物が多いし、いろんな立場の人や、いろんな言語が混ざりあってる(後述)ので、この手法は非常に親切だと感じました。
そうそう直前に見た映画が「プルートで朝食を」だったのですが、こちらもまた章立てになっております。しかも細かい。正確にはわかりませんが、だいたいDVDメニューのチャプターの数くらいあるのではないかな。とっても乙女な章タイトルが入るのです。カワイイ。
で、章立てになっている映画って「このお話は、きちんと起承転結があってスッキリとした終わり方をしますよ」という保証を観客の無意識に与えてくれるのかな、などと思いました。なんか安心感があるよね。物語の舵取りが見えない映画って見ていて不安じゃないですか。(そういう観客宙ぶら状態の映画にも傑作はあると思うけどね)ちなみに小説とかでも、細かい章立ての形式になってるものって好きです。単にサブタイトルフェチなのかも。

登場人物がそれぞれ英語、ドイツ語、フランス語を話すというのも面白いところ。普通の映画だと、お約束的に全員英語で、他言語の出番はちょろちょろじゃないですか。私は英語とフランス語は何となく耳慣れている感じがするのですが(意味がわかるよ!というレベルではないよ)ドイツ語に関してはからきしなので、ドイツ人に囲まれて意味のわからないドイツ語会話を聴いているショシャナ(フランス人)にすごく感情移入しましたね。何かドイツ語、不快というか怖い。と思ってしまう(もちろん、映画の文脈でね)。あと、この映画の主役、といっても過言ではないナチスの「ユダヤ・ハンター」ハンス大佐。彼がドイツ語、フランス語、英語を流暢に使いこなすのがめちゃくちゃ格好いいです。それだけでもうこの人には勝てない…!と思ってしまう。最後、イタリア語までしゃべっちゃうし。あれにはもう笑いました、降参です。

登場人物はかなり多い部類の映画だと思うのですが、演じている役者さんのと怪演いうかインパクトがすごいので、そのへんの混乱やストレスを全く感じない。もともとあくの強い顔揃ってるし。その筆頭がクリストフ・ヴァルツ演じるハンス大佐でしょうなあ。彼のキャラクターは強烈。物腰柔らかく、全てお見通しのキングオブ食えない人物。もうこの人には絶対に勝てない、と思わせる最強の相手だっただけに、あの二段階のオチは意外なものがありました。ブラピが主演としてクレジットされているけれど(そしてブラピも悪くないんだけど。でも白タキシードで大佐に伊語でまくし立てられた時のブラピは(´・ω・`)こんなだった)、明らかに主役は彼だな、と思いましたね。みんなそう思うだろ…。
大佐と対峙するバスターズではないもう一人の人物ショシャナ(ユダヤ人女性)。この人(メラニー・ロラン)もすっごくきれいな女優さんですねー。まだ結構お若い方です、派手なハリウッド系の美人でないが可愛いなぁ。パリでの食事会、デザート(シュトゥルーデル?)を食べるシーン、お気に入りです。大佐の食べ方がね、また神経に触る!でもあれ、普通に美味しそうですよね。シュトゥルーデル(ウィキ)ぼてっとしたクリームで甘っそうなんだよな…でも食べたい!

あと印象に残ったのはダニエル・ブリュール(ユアン・マクレガー似ですね。彼もフランス語うまい。)のフレデリック。英雄に仕立て上げられた若いドイツ兵なのね。果てしなくウザくてイライラします。彼がアタックするショシャナにどっぷり移入して本当に首絞めたくなります。かなりイライラが募るので最終章でのショシャナがフレデリックに対してとった行動には、スタンディング・オベーション♪でしたよ我が家。こんな喝采はゼア・ウィル・ビー・ブラッド以来じゃないかな?あ、ウザ演技が素晴らしい役者さんはいい役者さんですよ。
ということで、どちらかというとバスターズより、もナチスの面々の方がインパクトありかも。アウグスト・ディール(少佐)も大佐には及ばずともなかなか意地の悪い攻め方を見せてくれましたし。それにしても彼の顔は一度みたら忘れられないのう…。
とにかく一筋縄ではいかないなぁ。底意地の悪さと、爽快感のバランスが絶妙ですね。いろいろ細かいネタにも尽きない映画ですよ。ほくほく。

wowwowが見られる方は11月12日に放送があるようなのでいかがでしょうか?http://www.wowow.co.jp/pg/detail/022025001/index.php
私もこちらの特集番組はみたいと思っていますよ。http://www.wowow.co.jp/pg/detail/066480001/index.php